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 まる博サテライト訪問 11

  染と呉服  あ づ ま や

  秩父市東町5-10 Tel. 0494-23-5291
  営業時間 9:00~18:00
 定休日 水曜日/お盆/正月
  令和5年6月11日(日) 訪問


 6月11日日曜日の午後、雨の中、お伺いしました。澤山英男さんが4代目当主です。先代の澤山孝一さんもお元気で,奥様とともに悠々自適という感じです。

 「明治43年,澤山常吉さんは,秩父町1054番地に東屋染物店を開業,悉皆(しっかい)と染物を始めました。洗い張り,染み抜きなど現在では『着物クリニック』などと名前が変っているところが多いです。

 また,当時は多くの業種において印半纏(しるしばんてん)が着られていました。衿にその店の名前を染め抜いた紺の半纏は,年の暮れに,親方から職人に配られ,新しい印半纏で新年を迎えたものです。この半纏は木綿の生地に防染の『のり』を置き,“藍”で染められました。
今でも,お店に当時の甕(かめ)が,ひとつ飾ってあります。藍染では,甕の中にインジゴピアーを主とした染料に熱湯を注ぎ一晩甕の中で寝かせます。これを『藍をたてる』と云い,この甕を常時6本から持ち,毎日,甕をかき混ぜ藍を育てていました。

 甕を4つくぐって染め上がった反物の『のり』を落とすと字が浮き出てくる。半纏は藍の匂いがした。おやじが字を書いて『のり』を置き,自分は染めをしました。」と孝一さんが若かったころのお話しをして下さいました。「着物は洗い張りをし,染め直しをして,親子どころか代々大事に着,伝えていくこと,またそれを育てていくことがその家の楽しみであり,それはほかのことにもつながっていって,伝統の一環を担うことになると思います。 『家紋』についても同じように大切に守っていきたいとつくづく思います」と,やりたいことはまだまだおありになるようです。

 「あづまや」さんは,着物をつくって販売するだけではなく,着物をカビや湿気などから守る保管の方法も教えてくれます。それも面倒というお客様の着物を預かってもくれます。子どもや孫たちに,また親しい人に,と着物を伝えていけるよう,いろいろなサービスも行っています。振袖のレンタル,ワンコイン着物の着付け教室,小物の相談,着物に関することのすべてについて相談に乗ってくれる,と,まさに『悉皆』そのものでした。

(K・I)



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