お知らせ   事業報告     まるごと博物館とは  設立趣旨・定款  組織・沿革  サテライトのご案内

令和3年度のおもな活動

秩父まるごと博物館-事業報告トップページに戻る



0301 秩父歴史道スローウォーク
・11月23日(火・祝)「大滝の旧三峰街道を歩く」
(約 5.5 km,累積標高差約200 m)参加者:44名
コース:大輪バス停(9:15集合)~竈三柱神社~大達原手掘りトンネル~光岩~強石~三峰口駅前(13:00解散)
  三峯神社道門前町の大輪から,大正10(1921)年の県道(国道140号線)が開削されるまで,多くの人馬が行きかった旧三峰街道を歩きました。 竈三柱神社から下大輪の旧埼玉県企業局発電所住宅の間を登り,三峯山麓見送り観音から石垣の道を伝い,きつい山道となりました。やがて崩積堆積物上の南緩斜面に開けた大連原集落につき,大達原稲荷神社,共同井戸と高札場(県指定史跡)とを見学して,石灰岩をくり抜いた手掘り隧道があります。 トンネルの入口の上に送電線があり,荒川の深いV字谷を利用した大洞第一発電所の導水管が対岸に見えます。隧道の光岩側は石灰岩の大きな崖になっています。ここから先は険しい山道の切通しや崖の岩を観察しながら歩きました。石灰岩・凝灰岩・チャート・砂岩などの岩石は,秩父帯といわれる,ジュラ紀~前期白亜紀(約2.0~1.3億年前)に大陸縁に押し付けられてできた地質体です。 山道から光岩で舗装道路に出て,光岩稲荷神社や旧光岩小学校を見て国道を歩いて,強石の集落や大滝発電所を見て巣場新道を三峰口に向かいました。天気に恵まれ,紅葉を愛でながらのウォーキングでした。

  


0302ジオウォーキング

・5月30日(日)日本の地質百選「長瀞」を歩く
(約 6.0 ㎞,累積標高差約 50 m)参加者:24名
長瀞駅前 10:00 集合。親鼻駅前 17:00 解散。
 参加者は24人,密を避け,12人ずつの2班にわかれて歩きました。
 午前中,長さ500m,幅80mほどの岩畳をくまなく観察しました。片岩には,地下20~30kmに押し込まれてできた鉱物とその配列から成る,薄く剥がれやすい片理があります。また,片岩が地上に持ち上がってきて,できた節理という割れ目もあります。岩畳は,ほぼ水平な片理と,ほぼ垂直で南北と東西にある節理を荒川が削ってつくられたものです。
 午後は,虎岩で,折りたたみ褶曲や方解石脈,黄鉄鉱・磁鉄鉱を観察し,荒川橋梁のちかくでスティルプノメレンの結晶を観察しました。その後,金崎古墳群のうちの1つ,天神塚古墳の片岩でできた石室,長興寺の片岩の石垣,蛇灰岩の階段と標柱,栗谷瀬橋下流の蛇紋岩などを観察しました。

   

・3月26日(土) 一味違った札所めぐり「盆地と山地の境をみる」 (約 7.0 km,標高差約 200 m)参加者27名
「札所一番」バス停 10:30 集合。「川東下」バス停 14:30 解散。
 集合後,国の登録有形文化財となっている農村歌舞伎の舞台「栃谷八坂神社舞台」【明治32(1899)年建築/昭和25(1950)年頃・平成26(2014)年改修】を見学しました。八坂神社の境内から,秩父盆地越しに,西側の秩父帯の山々を遠望し,札所1番に行く道沿いで約1500万年前の海(古秩父湾)につもった泥岩・砂岩を見ました。 一番の境内では,秩父札所,観音堂を解説,いろいろな石造物を説明しました。札所1番の山門を出て,巡礼道を歩きました。道の要所々々には新旧様々な道標があり,心求・はまを願主として建てられた,元禄15(1702)年から宝永2(1705)年の道標石が多く残っています。 清水橋を渡った道沿いに露出する古秩父湾堆積層の礫岩は,東側の山地から崩れてきたもので,サザエなどの貝類の化石もありました。
 桑原沢の集落を過ぎると,山あいの上り坂になり,道端には所どころ片岩が露出しています。約8500万~6600万年前に地下20~30 kmで強い圧力をうけた低温高圧型の広域変成岩です。 札所2番は,標高665 mの高篠山の中腹,標高380 m程の小高い平坦地にあります。巡礼道の脇や観音堂に登る階段では,ほぼ水平な片理(うすく剥がれる性質)が発達した片岩が露出しています。
  札所四番は,1319体といわれる石仏群が境内をうめています。これらは寛永元(1624)年,天災などによる犠牲者の供養と寺の興隆のために,この寺の住職であった古仙登嶽和尚が石造千躰仏安置の誓願をたて,7年後には成就しましたが,その後も寄進は続いたといいます。 当時は山門近くに石屋があり,寄進者の要望どおりの石仏を刻んでくれたそうです。石材は,小鹿野町飯田の岩殿沢から産出する秩父盆地層群子ノ神層の凝灰質砂岩で「岩殿沢石」と呼ばれています。また,路傍に置かれた「四番御用」の札がついた石材を運ぶとご利益があるとされたことから,「功徳石」といって巡礼が運んだといわれます(平幡 1990)。 奥の院では,濃緑色の蛇紋岩がみられます。蛇紋岩は約8500~6600万年前(後期白亜紀)の三波川帯の岩石で,マントルをつくるカンラン岩が,海洋プレートの沈み込みでもたらされた水と反応し,蛇紋岩化作用を受けて生成されたものです。その上には,角ばった石からなる古秩父湾堆積層(約1500万年前の地層)が重なっています。この石は,秩父帯の頁岩や砂岩,チャートで,東側の外秩父山地が隆起し,そこから崩れてきた石ころです。ここで重なっている岩石の間には約5000万年の大きな時間の開きがあり,「不整合」の関係にあります。
 高篠郵便局の向かいの,国の登録有形文化財「旧強谷織物工場」【建築年代:昭和3年竣工/昭和中期改修】を見学し,「川東下」のバス停で解散になりました。

  


0303・0304 ジオパークマップづくり・ガイド現地研修

・5月8日(土) ジオ 日本の地質百選「長瀞」を歩く
  (従事者:5名,受益対象者:6名)

コース:長瀞駅前(10:00 集合)~白鳥島対岸~岩畳~虎岩付近~長興寺付近~梅乃屋旅館~栗谷瀬橋~親鼻駅前(17:00;約6.0 ㎞)

 5月30日に実施予定の ジオウォーキングのコースの状況や案内事項の確認をおこないました。今回は長瀞案内人の方にも大勢参加していただき,埼玉県の岩石「片岩」や埼玉県の鉱物「スティルプノメレン」など,長瀞の見どころを確認しました。
・10月30日(土)スローウォーク 「大滝の旧三峰街道を歩く」 従事者:5名
コース:大輪バス停(9:15集合)~三峰口駅前(17:00解散)

・2月26日(土)ジオ 札所「盆地と山地の境をみる」 従事者:3名
コース:札所一番バス停(10:30集合)~川東下バス停(16:00解散)



0305 ジオパーク講座 7月25日(日)13:30~16:45・秩父市歴史文化伝承館1階 研修室 参加34名

講 座 1 「秩父盆地は川がつくった河成段丘」
 講 師:小幡 喜一 (NPO法人秩父まるごと博物館 理事長)

 段丘は階段状の地形で,平坦な段丘面と旧珪砂の段丘崖で構成されること,周囲の地形,形成営力,形成した作用,段丘堆積物によって分類されることを解説,秩父盆地には,川に沿った「河岸段丘」が広がり,それは秩父山地が高度を増す中で,比較的軟らかい「古秩父湾堆積層」が,荒川などの河川に削られてできた「河成段丘」,「侵食段丘」で,尾田蒔丘陵は「ローム段丘」影森面は「砂礫段丘」長瀞岩畳は「岩石段丘」になっていること紹介されました。
 秩父の段丘は,形成年代により,高位(約50万年前).中位(約13万年前),低位(約7万年前以降)に分けれ,低位段丘には影森砂礫層が埋積した谷が隠れていること,段丘を形成する根源的な原因は気候変動と地殻変動であることを紹介し,各地の低位段丘にみられる特徴から,かつての川のようすが復元されました。

講 座 2 「行ってみよう! 秩父の眺望ジオサイト」
 講 師:本間 岳史 氏(NPO法人秩父まるごと博物館 副館長)

 まず,ジオパークとは何か,その視点(地形・地質の多様性,生物の多様性,人々の暮らし・歴史・文化・産業を関連づけてとらえる),役割(保全・教育・地域振興・ジオツーリズムにつながる持続可能な開発)を解説,ユネスコ世界ジオパーク(44か国169地域)と日本ジオパーク(46地域,うち9地域はユネスコ世界ジオパークにも認定)を紹介されました。
  そして,ジオパーク秩父の56か所のジオサイトと13の拠点施設を紹介し,この秋に行われる再認定審査にも触れ,秩父まるごとジオパーク推進協議会が選定した眺望サイト8か所(丸山山頂展望台,浦山ダム,三峰口の白川橋,美の山展望台,宝登山展望台,破風山山頂の展望,四季の道小鹿野展望台,志賀坂峠)に4か所(城峰山山頂展望台,秩父ミューズパーク展望台,稲穂山展望エリア,札所32番法性寺お船岩)を加えて,計12か所で撮影した眺望景観を紹介し,地質学的に解説されました。


0307遊休農地活用事業   ① ジャガイモの収穫 6月21日  ② ジャガイモの販売は中止。


0313秩父駅観光案内所   7月から土・日・祝日のみ10:00~15:00に営業している。


0314まる博講座・講演会

まる博講演会 第2回「秩父谷の城と武将」10月3日(日)13:30~15:30・秩父市歴史文化伝承館 研修室
 講 師 : 梅沢太久夫氏(元埼玉県立歴史資料館長)

 秩父地域の城郭の分布を示し,古文書の記載内容,縄張図を交えながら,その役割によって,屋敷として使う根城(長瀞町岩田の天神山城),合戦のための砦(皆野町下日野沢の高松城,小鹿野町日尾の日尾城,秩父市荒川日野の日野城),街道や川の往来等の監視所(秩父市大野原の諏訪城,皆野町下田野の千馬山城),避難小屋(秩父市荒川久那の室山城,小鹿野町合角の合角城郭遺構,秩父市荒川贄川の贄川城,小鹿野町三山の鷹谷砦),狼煙場(秩父市上吉田の女部田城)があると説明されました。また,築城の時期は,秩父一乱段階[永禄3年~5年(1560~1562)] ,甲相同盟の破綻・武田軍の秩父侵攻段階[永禄12年~元亀2年(1569~1571)]が主であることが紹介されました。


0315 広報・普及事業

①秩父まる博つうしん
 第34号 2021年7月15日
 第35号 2022年3月10日

②ホームページの運営

③フェイスブックの運営


0316 街なかガイド(ちちぶ案内人倶楽部)

① 地元ガイドと歩く!ミニ秩父旅 「秩父街なかパワースポット」
コース:西武秩父駅前~御旅所~矢尾旧酒蔵~今宮神社~明信館~今宮坊~爪竜寺庚申堂~旧国際劇場~秩父館~秩父神社
期日 6月1日
(火)
7月24日
(土)
8月1日
(日)
9月9日
(木)
9月22日
(水)
11月1日
(月)
11月17日
(水)
11月20日
(土)
12月11日
(土)
1月6日
(木)
従事者 1名 1名 1名 1名 1名 1名 1名 1名 1名 1名
参加者 2名 2名 1名 2名 1名 2名 2名 1名 2名 2名

② 地元ガイドと歩く!ミニ秩父旅「日本を支える白い岩」
コース:影森駅前~影森用水~札所27番大渕寺~武甲線跡~秩父鉱業~札所28番橋立堂~不動名水~浦山口駅前
期日 5月23日
(日)
5月29日
(土)
6月22日
(火)
6月28日
(月)
7月23日
(金)
9月19日
(日)
9月25日
(土)
10月4日
(月)
11月30日
(火)
12月15日
(水)
従事者 1名 1名 1名 1名 1名 1名 1名 1名 1名 1名
参加者 2名 2名 2名 2名 5名 3名 2名 2名 2名 2名

③ 地元ガイドと歩く!ミニ秩父旅「地球の窓 岩畳めぐり」
コース:長瀞駅前~岩畳通り~岩畳(四十八沼・秩父赤壁・ポットホール)~小滝の瀬~虎岩~自然の博物館前
期日・従事者・参加者:7月11日(日)・1名・2名

④ ジオパーク再認定現地調査「長瀞・岩畳」模擬ガイド
コース:長瀞岩畳前公衆トイレ~岩畳(東屋まで・四十八沼・秩父赤壁)
期日・従事者:11月4日(木)・8名


◆ 勝山市エコミュージアム協議会とのオンライン交流会
3月20日(日)午後1時半~3時頃 Zoom,小幡理事長宅 参加5名
 福井県勝山市は,国の天然記念物の化石,繊維の街,エコミュージアム,ジオパーク,大きな川,祭りがあり,秩父と共通するところも多くあります。勝山市エコミュージアム協議会は,地域ごとのグループの共同体で,各地域の住民グループが地域に密着した活動,たとえば,各地域のマップ作成,収穫祭や,エゴマの栽培,「鯖の熟れ鮨し」,弁当などの商品づくり,ジオサイト観察会などを行っているということでした。 NPO法人秩父まるごと博物館の活動を紹介し,秩父地域の理解をはかるために地理的な位置,自然と文化のほか,秩父定住自立圏,秩父地域おもてなし観光公社の事業なども紹介しました。
(c) 秩父まるごと博物館 Chichibu Eco Musée