お知らせ   事業報告     まるごと博物館とは  設立趣旨・定款  組織・沿革  サテライトのご案内
・4月1日(水) 高校科学部 日本の地質百選 「長瀞」 を歩く
  ガイド事業
  参加者:12名,ガイド:1名。
  長瀞駅前9:45集合,上長瀞駅前13:00解散。徒歩約 2 km

 千葉県の高等学校科学部からの依頼により,日本の地質百選「長瀞」をご案内しました。岩畳の片岩(変成岩), 片理,節理,褶曲,変形小構造,岩石段丘,ポットホール, 川の淵と瀬,礫のインブリケーション, 県立自然の博物館を見学,上長瀞駅前通りで昼食後解散しました。 
 


・4月4日(土)ジオサイトマップづくり・ガイド事業現地研修「秩父青石の採掘地を訪ねる」
  参加者:3名。
  樋口駅 9:30 集合,同所14:50 解散。

 今回の目的は2つ。一つは荒川洪水の跡を見学すること。もう一つは日本で最大の板碑である野上下郷石塔婆の見学及び石材採掘遺跡や、片岩の石垣を観察することです。
 荒川に近い道路沿いのお店2軒の2019年の台風19号の際の被害状況について見学させていただきました。その後、白鳥橋から上流の川の状況を観察しました。最近荒川右岸の岩壁の掘削工事が行われ、河幅が大分広くなっていました。その後野上下郷石塔婆を見学、その由来などを伺いました。 秩父往還を下り、小学校裏の寛保洪水位磨崖標を見学。国道から、3.65 m も上まで浸水したことに驚きました。圓福寺で、昼食。その後熊野沢に沿って坂道を登りました。途中、結晶片岩の石垣を見学、荒川段丘地形も観察しました。 そこから約600メートル坂道を登り、板石塔婆石材採掘遺跡を見学しました。切り出された大きな石材がたくさん積み重なっていました。石を切り出した矢穴跡が片理に沿って観察されました。 コース沿いの石垣には、興味深い石が沢山あり本番が楽しみです。15時前に解散になりました。昼頃から小雨になりましたが気にならない程でした。山道は、芝が一部深く、足元は少し悪く、採石跡周辺は、石材が折り重なり、一部急で、注意が必要でした。


・4月18日(土)ジオサイトマップづくり・ガイド事業現地研修「武州日野から札所30番への巡礼道」
  参加者:4名。
  武州日野駅13 :20 集合,白久駅18:00 解散。

 6月7日実施予定の,ジオパーク歴史道スローウォークのコースを,飯野頼治(2006)『地図で歩く秩父路』さきたま出版会・埼玉県教育委員会(1992)『歴史の道調査報告書 第十五集 秩父巡礼道』を参考に,現地調査,ガイド研修会を行いました。巡礼道は鉄道敷設や道路拡幅などにより変貌しているものの,多くの石造物や薬師堂などが残されています。
 当初は13:20集合の半日コースの予定でしたが,ゆっくりと石造物などを観察し,山里自然館の見学も入れて,下記のような1日コースとして実施することにしました。


・ 4月25日(土)埼玉県立大滝げんきプラザ主催 親子ハイキング
 「地元ガイドと秩父のまつりについて学ぶ
秩父まちなか散歩」

  受託事業
  参加者17名,ガイド1名。

 西武秩父駅集合,団子坂を下り,秩父札所13番慈眼寺,秩父今宮神社,秩父ふるさと館(旧柿原商店),買い継ぎ商通り店を経て秩父神社,その後,秩父まつり会館を見学。昼食をとり,午後は番場諏訪神社,番場通りから大正5年までの御神幸の道を歩き,地蔵川の跡を覗いて,御旅所で解散。春4月4日,秩父今宮神社の龍神祭,水分神事,秩父神社の御田植祭りが,武甲山の龍神様を迎えるお祭りで,12月3日の秩父夜祭が新嘗祭で,妙見様の星祭り,龍神様が武甲山に帰るのを見送る祭りであることを紹介しました。また,レトロな秩父の街並みを散歩しました。河成段丘の地形・地質や,江戸から昭和の建物と,それらにかかわる歴史を解説しました。 

・4月28日(火) 早稲田大学人間科学部 専門ゼミ
  受託事業
  参加者4名,ガイド1名。

 秩父市の市街地の形成と,地形・地質条件の関係を考察するフィールドワークを実施しました。山々に囲まれた秩父盆地。市街地は荒川右岸の階段状の段丘地形の上にひろがり,「武甲山の伏流水」とよばれる段丘崖の湧泉や井戸に支えられています。近世の街道「秩父往還」の大通りには絹商店,染物屋,旅館,造り酒屋などが並び,江戸時代には,1・5の日に,上町・中町・下町(本町)の大通りの東西6か所で順番に市がたちました。大通りの西側の坂の下には大きなケヤキと湧泉のある今宮神社があり,飲食店や花街が栄え,機屋や材木屋もありました。大通りの東には機屋の出張所,柞の森に囲まれた秩父神社があり,さらにもう一段坂をのぼると,ショッピングモールや道の駅(大正14(1925)に設立された秩父セメント工場跡地),市役所(昭和37(1962)年,現地に移転),西武秩父駅(明治33(1900)年に開校した農業学校・現 秩父農工科学高校の跡地),国道140号線などがあります。この影森面は,最も新しく開発された所で,大正時代までは,秩父夜祭の御旅所から羊山丘陵まで桑畑が広がっていました。


・5月1日(金)スローウォーク 武甲山山開き登山

 4人の申し込みがありましたが,風雨が強まるとの天気予報のために,中止しました。


・5月5日(火)ジオサイトマップづくり・ガイド事業現地研修 「札所10番・11番をめぐる巡礼道」
  参加 5名。
  横瀬駅前9時集合,ちちぶ銘仙館13時40分解散。

 9月20日に実施予定の,ジオパーク歴史道スローウォークの現地調査,マップづくりを行いました。9時過ぎに横瀬駅を出発,国道299号の横瀬駅入口信号の東,兎沢橋を渡って,北側の階段を降り,「右十番道」の道標石を確認しました。ここから巡礼道の申坂を登り,道標石を確認しながら,横瀬中学校脇の地蔵尊を経て,姿原を,札所十番大慈寺へ。今年は午年総開帳なので,境内は混んでいました。湧き水が礫岩露頭を洗う日向不動尊からセメント山(羊山丘陵)に登り,武甲山や両神山を望みながら尾根道を歩き,上之台稲荷神社を経て,札所十一番常楽寺へ。ここも境内は混んでいました。そして,道標石を確認し,ちちぶ銘仙館に13時40分頃到着。


・5月10日(日)第19回 通常総会
  参加 19名

議事に先立って,午後2時から総会記念講演「秩父の段丘と地殻変動・気候変動」(講師:小幡理事長)を行われました。
 その概要は,「秩父地域は,平均すると年間約0.6 mmの割合で隆起しており,1万年で 6 m,300万年で 1,800 m高くなったことになる。秩父盆地は侵食盆地であり,河成段丘は,気候変動と地殻変動の複合でつくられた重合段丘が形成されている。氷期末期の扇状地堆積物(砂礫層)の,影森砂礫層(低位段丘;約7〜1万年前),羊山礫層(中位段丘;約13万年前),尾田蒔礫層(高位段丘,約50万年前)が見られる。しかし,約2万年前(MIS 2)の最終氷期に,新第三系の泥岩が風化してできた粘土が,段丘の表面を埋め,太田・蒔田・横瀬・中近の田んぼの土をつくった。宮地・下郷の田んぼは,段丘面が形成されたときの流路跡に粘土質の土がたまったものである。田んぼの水は,段丘崖の湧泉や溜池により確保されている。」  
 午後3時から通常総会が行われ,令和7年度の事業報告・決算,8・9年度役員,8年度の事業計画・予算が,承認されました。


・5月17日(日)おがの化石館マルシェ「おがの化石館駅前商店街」
  運営:6名

 おがの化石館駅前商店街実行委員会・小鹿野町教育委員会生涯学習課・NPO法人秩父まるごと博物館主催で,おがの化石館においてが行われました。

 NPO法人 秩父まるごと博物館 では,おがの化石館運営アドバイザーでもある小幡理事長が,ゲートルを巻き,盛岡高等農林学校の秩父巡検で,宮沢賢治を引率した関豊太郎教授に扮して,解説を行い,その他5名が運営に貢献しました。
 午前中10:30~11:15は,「おがの化石館満喫とことんツアー」の解説を実施。1階では,秩父帯・山中地溝帯の中・古生代の化石と岩石,古秩父湾堆積層の化石と地層,そして,パレオパラドキシア・チチブサワラ・チチブクジラ・オガノヒゲクジラを解説。2階に上がり,化石とは何か,化石の役割,各地質年代の化石を紹介。窓越しにようばけの地層についても,解説しました。
 午後13:00~ 14:30は,「川原で石ころ仲間分け!My岩石標本箱をつくる 川原の石ワークショップ」。化石館からようばけ対岸の川原まで,地形・地質を解説。川原では,まず,石ころを拾って仲間分け。それぞれの石ころの特徴を確認して,名前を付けました。最後に,My標本箱をつくりました。


・5月19日(月) 小昼飯づくり①「かしわ餅」
  参加:20名。秩父市歴史文化伝承館調理室。10:00から12:30。

 上新粉を熱湯でこねて,丸めて蒸かしてからすりこぎでつき,1つづつ形を整えあんをはさんで,柏の葉でつつんでから再び蒸し器で蒸して出来上がりです。参加者20名で,240個もの柏餅を作りました。

・5月24日(日)ジオウォーク 「秩父青石の採掘地を訪ねる」
  参加 31名。

 集合時の10:10には小雨模様でしたが,歩き始めると雨が上がり,曇り空のひんやりとした,ウォーキングにはちょうど良い天候になりました。テーマの1つ目は,洪水。令和元(2019)年の台風19 号で床下浸水した清水屋食堂を見学,円福寺下にある寛保2(1742)年の水位を岩壁に刻んだ埼玉県指定史跡「寛保洪水位磨崖標」を見学,洪水と河川地形との関係について考えました。2つ目は,青石塔婆。国指定史跡「野上下郷石塔婆」とその石材を切り出したと伝えられる埼玉県指定旧跡「板石塔婆石材採掘遺跡」や片岩をX 字状に組んだ石垣を見学し,緑泥石片岩の特性と中世以降の石材への利用を考えました。途中,秩父往還熊谷道の石造物や石垣などを観察しました。
 アンケートには,「樋口駅はただのローカル駅だと思っていましたが,秩父の洪水氏,河川地形,石材産業を知る上で重要な拠点であることが分かりました。」「野上下郷石塔婆が見たくて参加したのですが,詳細な解説も聞けて良かったです。」などの感想がありました。


・5月30日(土)ジオサイトマップづくり・ガイド事業現地研修
 「大日峠をこえ札所32番法性寺へ」

  参加:4名。
  小鹿野役場前10時集合,秩父大神社18時20分解散。

10月4日に実施予定のジオウォークの現地調査,マップづくりに行いました。
 10時過ぎに小鹿野役場を出発,中島の白山神社・大ケヤキ・「右三十二番道」と刻まれた地蔵尊を見て,金園橋を渡りました。この橋の付近には,小鹿野町層のタービダイト(砂岩泥岩互層)やスランプ礫岩が見られます。小判沢の集落には砂岩の石棒が祀られた「こんせん宮」がありました。12:30昼食を摂り,13:10沢沿いの巡礼道はいり,地層を観察しながら登り,14:00前大日峠に到着し,大日如来像と道標石を確認しました。14:15峠を出発,柿ノ久保に下ち,石造物を確認,諏訪神社をたずねて, 15:00札所32番法性寺に到着。周辺では秩父町層の河床に塊状砂岩が見られます。観音堂裏のタフォニを観察,16:10奥の院に向かい,龍虎岩・十三仏の窟屋を観察し,16:50スリリングなお船岩に登り,舳先の観世音菩薩立像と艫の大日如来座をお参りしました。18:00法性寺をでて,18:20秩父大神社で終了しました。


2026年6月7日(日)秩父ジオパーク歴史道スローウォーク「武州日野から札所30への巡礼道」
参加:18名
秩父鉄道「武州日野」駅前 10:15集合。「白久駅」前に14:50解散。

曇りのち雨の天気予報で,参加者者は少な目でした。
 武州日野駅前を出発,下日野会館まえの地西庵薬師堂を見て,巡礼道を歩きました。巡礼道には馬頭尊や地蔵尊,道標などの石造物が多くあり,馬立と豆早原には薬師堂があります。途中,日野鷺橋を渡り,鷺ノ巣で秩父町層の地層を観察,橋上からテビツガ淵や長岩と川原の様子を観察しました。昼食を道の駅あらかわで摂り,山里自然館を見学しました。
 午後は,線路に沿った巡礼道を歩き, SLも見ました。谷津川にかかる高橋を渡り,双体道祖神などを見て,坂道を登り,庭園の整った秩父札所三十番法雲寺に行きました。室町時代の納札・「天狗の爪」・「竜の骨」などの寺宝を見学,天然記念物のヒバも見ました。三十番から来た道を戻り,白久駅に下る谷津坂の途中から,スケート場跡の山側を通る巡礼道を歩き,持田の古井戸を見学,サンショウウオがいました。予定より少し早く。白久駅前に14:45到着。15:00発の上り電車に乗車しました。解散後,小雨が降ってきました。
 アンケートには,「参加者があまり多くなかったので,列が長くならず説明が聞き取りやすかった。」「秩父に住んでいても知らないことばかりです。楽しかったです。」などの感想がありました。



7月5日(日) 令和8年度 ジオパーク講座 第1回
 「関東山地の中生代付加体研究でわかってきたこと・未解決なこと」

  参加者:44名
  ところ:秩父市歴史文化伝承館1階 研修室
  講師:久田健一郎氏(元筑波大学教授・日本地質学会関東支部長)

 13:30から15:30。講演は,院生時代,秩父市浦山毛附の民宿に泊まり,秩父帯の調査を行ったお話などから始まりました。そして,火山島→裾礁→堡礁→環礁というサンゴ礁の成長過程とその形態を説明されて,最近の研究成果として,叶山の石灰岩から細かく資料を採集し,プレパラートを作成して観察することにより,その堆積物と化石群集から,石灰岩は熱帯パンサラッサ(古太平洋)の環礁の静かなラグーンで約3億年前に形成されたもので,約1.9-1.8億年前に日本列島のもととなる大陸縁に付加したことがわかったことを示されました。そして,地質学とは,山を歩いて詳細な地質図をつくり,プレパラートをつくって細かな観察を行うという地道な研究であることを紹介されました。
 それから,プレート運動と造山運動,海洋プレートがベルトコンベアのように石灰岩チャートなどの堆積物を運搬してきて,収束境界で付加体がつくられるという,分かってきたことを解説。分かっていないこととして,1)アメリカ西海岸と日本の後期古生代の化石が類似することを説明するプレートの動きが復元できていない,2)白亜紀の貝類化石に冷水型と暖水型を含む地層群が並列配置していることの成因は,大規模な横ずれ断層なのか,堆積場の違いによるのか,3)秩父帯中帯の黒瀬川帯を断層に挟まれたものか,構造的上位に乗るものかを紹介されました。
 アンケートには,「すでに付加体のことについては分かっているつもりでしたが,今回久田先生の話で,さらに深く詳しく知ることができました。」「秩父の成り立ちとプレート運動ベルトコンベアの話し,分かるようでわからない話,1000万年で1000km動く大地が海溝10kmの深さで表面がふかふかしているおもしろい話です。」「石灰岩の山が,どのような場所で形成されたのかを調べるために,非常に地道で繊細な作業が行われていることを知りました。」などの感想が,ありました。


(c) 秩父まるごと博物館 Chichibu Eco Musée